第 五章「秘密結社にご用心」


キャラクター・プレイヤー紹介
自画像
名前:MO−R−ISE−2
サービスグループ:HPD&MC
秘密結社:イルミナティ

MBD:ハッピネスオフィサー

 今回は、これまでまったく説明することもなく、当然のようにこの紹介文に明記されていた「秘密結社」を軽く説明。

 イルミナティは、実にわかりやすいくも、よくわからない秘密結社。
 彼らの活動内容は意味のない破壊活動と、欲望を満たすための恐喝行為という、実に反社会的(だから秘密結社なのだろうが)なもの。
 目的無きテロ行為を繰り返す、単なる狂人であるが、それが結社など作って組織的に動いているところが怖い。
 また、市民全員が反逆者であるアルファコンプレックスでは、恐喝のネタには困ることはないだろう。しかし、レーザーガンを持っている相手に恐喝 行為をするというのも、なかなか命がけではあるが……
 
名前:Rese−R−VED−1
サービスグループ:テクニカルサービス
秘密結社:プロテック

MBD:C&Rオフィサー

 プロテックは、さきほどのイルミナティに比べれば、天使に見えるほど善良な秘密結社。
 その活動内容は、新しい技術を開発すること。R&Dに似ているが、その技術が反逆的であっても良い(電動歯ブラシに原子炉を使わないでも良いと か)ところが、秘密結社であるところの強み。
 つまらない新発明を実験しようとして、みんなに迷惑をかけることがあるだろうが、悪気が無いだけ他の秘密結社よりはマシな存在だろう。
STAR−R−INN−1
サービスグループ:HPD&MC
秘密結社:コミュニスト

MBD:ハイジンオフィサー

 コミュニスト……読んで字のとおりのパラノイアにおけるキング・オブ・秘密結社である。
 ただいるだけなら、さほど害は無いのだが、こいつの悪いところは他人に思想を感染させること。
 コミュニストが共産主義の啓蒙を始めると、なんと他の市民も共産主義に感化されてしまうのである。ブルルッ、恐ろしい!
 しかも、彼らの啓蒙活動を見てコミュニストであると指摘すると、例外なく「なぜ、あの行為を見てコミュニストであるとわかった? そんな反逆的 知識を持っていると言うことは、おまえもコミーだなっ!」と因縁をつけられ逆に処刑されてしまうという……はっきりいって、プレイするにはお得な 秘密結社。 
名前:Tokyo−R−OSE−1
サービスグループ:アームドフォース
秘密結社:アンチ・ミュータント

MBD:チームリーダー

 なぜ、秘密結社なのかよくわからないのが、このアンチ・ミュータント。
 これまた読んで字のとおり、ミュータントを嫌って抹殺しようとしている連中のことである。
 コンピューターの敵の敵なのだから、すなわちコンピューターの味方のような気がするのだが……なぜ、秘密結社となるっているのか不思議である。
 しかも、ミュータントを嫌っているくせに、自分自身がミュータントであるという矛盾した存在でもある。
 他の連中がミュータントパワーを使おうとしたら、誰よりも早くそいつを摘発するのが仕事であるが、所詮、ミュータントは反逆者なのだから、アン チ・ミュータントが処刑しなくても、別の市民が喜んで処刑してくれると思うのだが……
 やっぱり、この秘密結社の存在意義はいまいち謎である。


 さて、市民。
 あなたがたの懸命なる奉仕のおかげで、ようやくレースの参加申請は完了しました。

Rese-R-VED-2:では、さっそくコースの下見に行くとしよう。
Tokyo-R-OSE-2:すばらしい、そうしましょう。

 あー、市民。
 奉仕に熱心なのは良いのですが、本日の就寝時間がやってきました。

MO-R-ISE-3:えっ、寝ないといけないのですか?

 はい、就寝時間を破るのは反逆です。

STAR-R-INN-2:では、しかたない。寝るとしますか。
MO-R-ISE-3:あの、ちょっと行きたいところがあるのですが。

 市民、それは反逆ですが?

MO-R-ISE-3:い、いや、反逆しないように……こっそりと出かけたいんですが?

 ふむ……どこへ?

MO-R-ISE-3:イルミナティの上司に会いに行きたいんです。

 いいでしょう。

MO-R-ISE-3:こんにちは〜
上司:よう、市民。なんの用だ?

 出てきたのは、ドクロの眼帯をしていて、背中に赤い爆弾を背負っている人物です。

MO-R-ISE-3:実は楽しい破壊活動のために、手榴弾を購入したいのですが。
上司:ふむ……で、何を狙う気なのだ?
MO-R-ISE-3:えーと、走っていればこの世はユートピアレースです。
上司:ひゃっほーっ、ブラボー! そいつぁ、すげえやっ!! あんな大イベントを狙うたぁ、イカした命知らずだな、あんた!
MO-R-ISE-3:あ、ありがとうございます。
上司:じゃあ、こいつを持っていけ。

 と言って、背中の爆弾を手渡します。スイカのような丸い爆弾で、導火線がヒョロっと出ています。

MO-R-ISE-3:た、ただでいいんですか?
上司:当然さ! ただし、爆発範囲は300メートルなんで、爆発に巻き込まれないように気をつけろよ。
MO-R-ISE-3:えーと、導火線は何秒ぐらいで?
上司:2秒。
MO-R-ISE-3:そ、それって、無茶苦茶、導火線が短くないですか?

 いや、最初の二秒間はゆっくり燃えて、そのあと一瞬で燃え尽きるという「トムとジェリー方式」が採用されているという噂ですが……噂は反逆です。
 しかし、ここはイルミナティなので反逆しても構わないのです。

MO-R-ISE-3:あ〜、そーかー、ここは反逆しても良い空間なのか……(安堵した顔)

 しかし、イルミナティ理論で反逆的なことは許されません。
 たとえば、「こんなこと、よしましょうよ」とか言い出すことは反逆です。

MO-R-ISE-3:わ、わかりました〜
上司:市民、恐喝しているかい!?
MO-R-ISE-3:もちろんですっ!
上司:うむ、よろしい!

Rese-R-VED-2:(よくない連中だなぁ〜)


 さて、そのころ、STAR-R-INN-2のところに、訪問者が来ます。

STAR-R-INN-2:誰ですか?
コミー:やあ、同志!
STAR-R-INN-2:ダー(笑)

コミー:きみが、今度開催されるレースに参加するというのは本当かね?
STAR-R-INN-2:い、いや……あれは、そのー、腐った資本主義の産物であるレースを妨害するためなのです、同志!
コミー:なるほど。しかし、我々はきみの一歩先を行って、あのレースに同志のマシンを潜入させることに成功している。
STAR-R-INN-2:おお〜っ、さすがは我が同志!
コミー:そこでだ、きみには、そのマシンを必ず優勝させてやって欲しい。そして、我々の力を資本主義に毒された豚どもに見せつけてやって欲しいのだ。
STAR-R-INN-2:そ、そのマシンは……?
コミー:マシンDだ。
STAR-R-INN-2:うっ、くくくくくっ……(彼は全財産をAが優勝することに賭けている)
コミー:返事はどうした!?
STAR-R-INN-2:ダ、ダー!!
コミー:よろしい。

STAR-R-INN-2:ところで、他の車を妨害するための何か役に立つ装備を支給してはいただけませんでしょうか?
コミー:そう言うと思って、これを持ってきてやった。鎌とハンマーだ。これを持っていれば、我が同志にきみがコミュニストであることを示すことが出来る。
STAR-R-INN-2:は、はぁ……
コミー:さらに、資本主義の豚どもの首を刈り取ることだって出来るという優れものだ。受け取りたまえ。
STAR-R-INN-2:ありがとうございます。
コミー:革命のために!
STAR-R-INN-2:革命のために!
コミー:所有は罪!
STAR-R-INN-2:所有は罪であります!
コミー:よろしい。
STAR-R-INN-2:世界を革命する力を!
コミー:むむっ? それはなにか資本主義の産物のように聞こえるが……
STAR-R-INN-2:いやいやいやいやいや(笑)


 さてさて、夜がふけてきたころ(?)、Rese-R-VED-2の改造ベルトが「ピロピロピロ」と鳴り響き出します。

Rese-R-VED-2:あわてて、押さえつけよう。

 通信が入っているようですが?

Rese-R-VED-2:では、受話器を取り上げて……はい、もしもし?
プロテック:やあやあ、俺だよ。

 相手はプロテックの同僚のようです。

Rese-R-VED-2:どうしたんだ、こんな時間に?
プロテック:実は、今度のレースに俺達の新開発したマシンが参加することになったんだ。
Rese-R-VED-2:それは、まさか低速になると原子炉か停まるという……?
プロテック:いや、違うよ。我々はクサレ頭のコンピューターを見返してやるために、画期的な新しいエネルギー源を開発したんだ。
Rese-R-VED-2:ほお、素晴らしい。いったいなんて名前なんだい?
プロテック:スチームボンバー。
Rese-R-VED-2:……すまない、もう一度言ってくれ。
プロテック:スチームボンバーだって。これは、ウランもプルトニウムも使用しない新エネルギー源なんだ。
Rese-R-VED-2:それはいったい、どういう原理なんだね?(こめかみに指を当てつつ)
プロテック:火を燃やすとだね……水が暖まるじゃないか。
Rese-R-VED-2:……そうだね。
プロテック:やがて水は沸騰して蒸気になると、水は容積を増すんだ。その圧力を利用して、動力機関を動かすんだよ。
Rese-R-VED-2:すばらしい! クリーンエネルギーだね?
プロテック:その通り! これさえ実用化されれば、あんな危険でウスラトンカチな原子炉を使わなくても、我々は生きていくことが出来るんだ。
Rese-R-VED-2:なるほど……
プロテック:そして、この新エネルギーの素晴らしさを、あのウスラバカどもに知らしめるためにも、このレースには優勝しなくてはならないと言うわけさ。
Rese-R-VED-2:わかった。で、その優勝させるべきマシンは?
プロテック:Cです。


Rese-R-VED-2:Cか……
STAR-R-INN-2:私はDですけど(苦笑)
MO-R-ISE-3:自分は破壊するだけですから(笑)
Rese-R-VED-2:なんて気楽な……邪悪な存在だ。
Tokyo-R-OSE-2:私は何もないのかな?

 何かしたいのですか?

Tokyo-R-OSE-2:い、いえ、別に……ピィピッピ〜〜(調子っ外れな口笛を吹いている)

 では、そのままつつがなく夜が更けていきます……


次回「華麗なる無駄な努力」に
つ づ く

目次に戻る

トップページに戻る