正体隠匿カードゲーム

「信じられるのは邪神だけ」

udonarium用ルール ver01



作:内山靖二郎

https://twitter.com/yasujiro

●はじめに


 プレイヤー数:5人推奨(3〜4人でもプレイ可能)
 1プレイ:15〜20分
 
 あなたは邪神を信仰するカルトの幹部。またはカルトの宿敵である探索者となる。
 正体を隠匿しつつ、カルト内での名声を集め、大司祭を目指すのだ。

●ゲームの目的


 5人のプレイヤーは「クトゥルフ信者」×2名、「ニャルラトテップ信者」×2名、「探索者」となり、名声点を稼ぎ、ただ一人の勝者を目指す。
 同じ信者ですら味方ではない。むしろ最大のライバルだ。
 正体を隠した探索者を見つけて、告発しよう。だが、同時に証拠などを集めて名声点も稼いでおかねば勝者にはなれない。
 一方、探索者は別枠の存在だ。探索者は信者たちを混乱させ、間違った告発をさせるのが勝者への近道だ。

●ストーリー(読まなくてもよい)


 あなたたちは、邪神クトゥルフと邪神ニャルラトテップを密かに信仰するカルト組織の幹部だ。
 このカルトでは、自分の信仰する邪神の名をみだりに口にすることは禁じられている。
 そんなカルトの偉大な大司祭が、カルトの天敵「探索者」に暗殺された。
 大司祭はクトゥルフ信者だった。カルト内の勢力を強めたいニャルラトテップ信者が、探索者に情報を流して、暗殺させたのだ。
 ところが、その後、探索者はまんまと幹部になりすまし、カルトに潜伏してしまった。ニャルラトテップ信者にとっても、これは計算外だった。

 大司祭の死は、クトゥルフ信者にとっては痛手だが、悔やんでいる暇はない。
 なぜなら、大司祭の後継者争いが始まったのだ。

 次の大司祭には、カルトに潜伏する探索者を告発するなどして、名声を高めた者が選ばれる。
 もしかすると、信者たちの確執を利用して、探索者が大司祭の地位に就くかもしれない。そうなればカルトは破滅だ!
 信じられるのは邪神だけという中、どんな手を使っても、あなたが大司祭となるのだ。




●udonariumでのプレイ


 このゲームはオンラインTRPG用アプリ「udonarium」でプレイできる。できるだけ音声チャットと併用してもらいたい。ずっと楽しさが増すだろう。
 まずは、以下のリンク先からルームデータ「shinjya01.zip」をダウンロードすること。
 次に、下記アドレスの「udonarium」にアクセスして、画面上の「ZIP読込」にて、「shinjya01.zip」ファイルを読み込ませよう。「shinjya01.zip」ファイルをブラウザ上にドラッグするだけでもOKだ。
 カードゲーム「信じられるのは邪神だけ」専用のルームが展開されたら、あとはオンラインで友人を誘ってプレイするだけだ。

 udonariumに慣れていないのなら、カードをダブルクリックしたり、ドラッグするなどして、udonariumの機能も試しておこう。このゲームにはネタバレ要素はないので、カードの内容を見ても大丈夫だ。
 特に、カードを右クリックすると出てくるメニューにある「自分だけ見る」は、自分だけでカード内容を確認するときに使う重要機能なので事前確認しておくこと。
 誤ってカードを消してしまっても、「shinjya01.zip」を再度読み込ませば復元できる。
 他にudonariumの使い方や機能で不明なことがあれば、各自で検索するなどして調べてもらいたい。

○ルームデータ・ダウンロード(以下をクリック)

shinjya01.zip

○udonariumのアドレスリンク(以下をクリック)

https://udonarium.app/



●ゲームの基本ルール


 証拠カードと事件カードに記されているアイコンの数は、そのカードを所持することで得られる(減らされる)名声点を表している。自分の正体カードと同じアイコンの数が名声点となる。ほかのアイコンは無関係だ。
 ルールで「オープンにする」とされていない限り、カードの内容を自分から他のプレイヤーに見せてはならない。
 ゲーム中の会話は自由だ。正直に話しても、嘘をついてもよい。ただし、一部のプレイヤーのみでの密談は禁止。
アイコン一覧

●セットアップ

※以下のセットアップの内容は、ルームデータを読み込ませたままの状態でプレイしていることを想定している。


▽1.各自、自分が担当したいキャラクターカードを適当に選ぶ。キャラクターにルール上の差異はない。「プレイヤー名を入れる」というトークンを右クリック、「詳細を表示」を選んで、担当プレイヤーの名前を入力しておくとわかりやすい(名前を入力してからudonariumの「保存」機能でデータを保存しておけば、再プレイがスムーズにできる)。

キャラクターカード


▽2.事件カードをシャッフルして、伏せたまま4枚抜き、ゲームから除外する。残った事件カード3枚が、ゲームで使用する山となる。

事件カード


▽3.正体カードと証拠カードをそれぞれシャッフルして、全員に各1枚ずつ配る。配られたカードは手札とする。残った証拠カード4枚は、ゲームで使用する山となる。

正体証拠カード


▽4.スタートPLダイスをふって、最初の議長(親)を決める。議長は自分のキャラクターカードを裏返して「議長」と表示して、その上に尋問マーカーを移動させる。

▽5.ゲームスタート。「アクションフェイズ」に進む。
セットアップ完了

●アクションフェイズ


▽1.議長は、中央の事件カードの山からカードを1枚めくり、オープンにして山の横に置く(オープンした事件カードは複数になることもある)。

▽2.その後、議長から、時計回りに手番がめぐる。

▽3.プレイヤーは自分の手番で、以下のどれかのアクションを1回できる。パスはできない。

・調査アクション
 新たな暗殺の証拠を調べる。
 中央の証拠カードの山から1枚ひいて、オープンにして自分の前に置く。山がなくなったら、このアクションは選べない。

・強奪アクション
 他人の持っている証拠を強奪する。
 他のプレイヤー1人の手札から証拠カードを1枚ひいて、自分の手札にくわえる(相手の証拠カードが複数ならシャッフルしてからひくこと)。「調査アクション」で入手したオープンされている証拠カードは強奪できない

・事件アクション

 カルトで起きる事件に関わる。
 中央にオープンされている事件カードを1枚取って、オープンのまま自分の前に置く。カードの【特殊効果】は、プレイヤーが取ったタイミングで処理する。
 なお、事件カードを所持するプレイヤーは、以後「尋問アクション」ができなくなる

・尋問アクション
 疑わしい者を尋問して、正体を白状させる。
 ただし、すでに「尋問マーカー」が置いてあるプレイヤーに「尋問アクション」はできない
 尋問したいプレイヤーのキャラクターカードの上に、他のプレイヤーから「尋問マーカー」を移動させる。
 その後、尋問するプレイヤーの正体カードの内容を「自分だけ見る」で確認する。

※注意点まとめ
 オープンされている証拠カードは「強奪アクション」では奪えない(事件カード「邪神の采配」の【特殊効果】なら可能)。
 事件カードを所持しているプレイヤーは「尋問アクション」ができない。
 すでに「尋問マーカー」が置いてあるプレイヤーに「尋問アクション」はできない。
 事件カード「星辰正しき刻」の【特殊効果】で「すぐに『告発フェイズ』を開始する」となった場合、以降のプレイヤーの手番はなくなる。

▽4.手番が終わったら、次のプレイヤーも「3」を繰り返す。全員に手番が1回めぐれば、1ラウンド終了。「5」に進む。

▽5.現在、尋問マーカーのあるプレイヤーが、次の「議長」となる(議長が連続することもある)。その後「1」に戻るが、もし事件カードの山がなくなっているなら(多くの場合、3ラウンド目)「告発フェイズ」に進む。

●告発フェイズ


 中央に残った事件カード、証拠カードはゲームから除外される。
「告発フェイズ」でも、現在の議長から、時計回りに手番がめぐる。
 手番プレイヤーは、自分以外のプレイヤーの前に、自分の告発カードの「告発」か「無罪」のどちらかを1枚伏せて置く。
 そうしたら、次のプレイヤーに手番が移る。
 この手番が2巡して、全員が「告発」カードを置き終えたら「勝者の決定フェイズ」に進む。
告発カード
※補足
 信者のプレイヤーは、探索者だと思うプレイヤーに「告発」のカード、他の適当なプレイヤーに「無罪」のカードを置こう。
 探索者のプレイヤーは、名声点を減らしたいプレイヤーに「告発」のカード、他の適当なプレイヤーに「無罪」のカードを置こう。
「無罪」カードを効果的に使って、他のプレイヤーを惑わせよう。

●勝者の決定フェイズ


 混乱しないよう、現在の議長から時計回りに、自分の告発カードと正体カードをオープンにして、告発の成否を確認する。
 もしも、誰も探索者を告発できていなかったら、探索者が「勝者」となる。
 また、自分と同じ邪神の信者を告発したプレイヤーがいたら、同じ邪神の信者2人とも「敗者」となる。邪神は愚かな信者2人を見捨てたのだ。稼いだ名声点は無駄となる。
 その上で、まだ勝者が決まっていないなら「勝者」を決めるため「名声点の算出方法」に進む。

○名声点の算出方法

 信者のプレイヤーが、探索者を告発していれば3点を得る
 信者のプレイヤーが、探索者以外を告発したなら、探索者はその人数×3点を得る。この計算には「敗者」の分も含まれる。
 探索者に「告発」のカードを置かれたプレイヤーは2点減らされる
 最後に、証拠カードと事件カードに記されたアイコンのプラス・マイナスに従って、カードを所持するプレイヤーが名声点を得る(または減らされる)。なお、手札とオープンされているカードは同様に扱う。

 算出した結果、名声点の一番高いプレイヤーが「勝者」だ。新たな大司祭に任命される!
 他のプレイヤーはすべて「敗者」となる。このゲームに2位はない。敗者は等しくみじめな敗者である。

○勝者が複数の場合

 名声点が同点の「勝者」が複数いる場合、「勝者」のみで以下の条件に従い、「真の勝者」を決定する。
 第1条件から順番に処理して、「勝者」が1人にしぼられるか、最終条件まで続ける。

第1条件.証拠カード「ダイナマイト」を所持する「勝者」がいれば、全員爆殺して「真の勝者」となる。
第2条件.所持する、事件カードの枚数が多い「勝者」が勝ち残り。他より少ない者は「敗者」となり脱落。
第3条件.所持する、証拠カードの枚数が多い「勝者」が勝ち残り。他より少ない者は「敗者」となり脱落。
第4条件.議長の「勝者」がいれば、議会を掌握して「真の勝者」となる。
最終条件.まだ「勝者」が1人にしぼられてない場合、共倒れにより全員平等に「敗者」となる。勝者はいない。邪神の嘲笑だけがこだまする。

●再プレイ

 保存しておいたZIPファイルを再読み込みさせれば、すぐに再プレイが可能だ。


●オプションルール:3〜4人でのプレイ


 このゲームは5人でのプレイを推奨するが、3〜4人でもプレイ可能だ。
 セットアップは5人プレイと同じように行う。
 プレイヤーのいないキャラクターカードと手札は、そのまま仮のプレイヤーがいるものとして配置しておく。

○仮のプレイヤーの扱い

 仮のプレイヤーに対しても「尋問」「強奪」アクションはできる。
 仮のプレイヤーの手番はすべて飛ばされる。告発もしない。
「勝者の決定フェイズ」となった時点で、仮のプレイヤーは「敗者」となる。名声点の計算はしない。仮のプレイヤーは告発をしないため、告発を外したことによる探索者への加点もない。
 仮のプレイヤーが探索者だったときでも、信者が告発に成功すれば、5人プレイと同様に名声点3点が得られる。
 仮のプレイヤーが探索者だったとき、プレイヤー全員が告発に失敗したのなら、全員平等に「敗者」となる。勝者はいない。

○探索者の名声点

 4人プレイでは、探索者は最初から名声点を1点獲得した状態でスタートする。
 3人プレイなら、名声点を2点獲得してスタートだ。



●アドバイス(読まなくてもよい)


 目安として、名声点は6点が勝敗の分かれ目。5点での勝利は少し厳しい。7点なら勝利は近い。
 あまり露骨に名声点を稼げば、探索者はあなたの名声点を減らすため、告発してくるだろう。
 尋問で探索者を見つけても、他人に教えてやる義理はない。貴重な手番を使って得たアドバンテージは大切に。
 信者たちがこぞって証拠や事件カードを集め、尋問をおろそかにすれば、結局、探索者が有利になる。




■ゲーム構成品(読まなくてもよい)


●事件カード(7枚)
事件カード
「ニャルラトテップの願望」
 ニャルラトテップは、軟弱なクトゥルフ信者たちを生け贄に捧げることを望んでいる。
 ニャル+2点、探索者+1点

「クトゥルフの悪夢」
 クトゥルフからのテレパシーによれば、邪神はまだ心地よい眠りについている。
 クトゥルフ+2点、探索者+1点

「ルルイエの円盤」
 クトゥルフ復活の鍵となるアーティファクト。探索者に奪われたら一大事だ。
 クトゥルフ+1点、ニャル+1点、探索者+2点

「血の契約」
 邪神に己の血をささげて、生涯の忠誠を誓うのだ。
 クトゥルフ+1点、ニャル+1点、探索者−1点

「ニャルラトテップの戯れ」【特殊効果】
 このカードを取ったら、自分と他のプレイヤー1人の正体カードをシャッフルして、それぞれの手札に配り直す。

「邪神の采配」【特殊効果】
 このカードを取ったら、自分と他のプレイヤー1人の証拠カードすべてを交換する。交換はどちらかの証拠カードが0枚でも成立する。

「星辰正しき刻」【特殊効果】
 このカードを取ったら、中央の事件カードの山から1枚抜いて、ゲームから除外する。山にカードがないなら、すぐ「告発フェイズ」を開始する。

●証拠カード(ダイナマイト以外は各2枚、ダイナマイトは1枚、計9枚)
証拠カード
「目撃者」
 犯行はニャルラトテップ信者ではなく探索者の仕業だ。
 ニャル+2点

「凶器」
 探索者愛用のショットガンで大司祭は殺害された。
 ニャル+1点

「遺言」
 クトゥルフ信者の大幹部に次の大司祭を任せたい。
 クトゥルフ+2点

「日記」
 ニャルラトテップ信者の冒涜的行為が記されている。
 クトゥルフ+1点

「ダイナマイト」探索者の自決用。いざとなったら……。
 クトゥルフ−2点、ニャル−2点

●正体カード(探索者は1枚、他は各2枚、計5枚)
正体カード
 探索者
 クトゥルフ信者
 ニャルラトテップ信者

●告発カード(10枚)
告発カード
「告発」
 探索者を告発できれば、あなたは名声点を3点得る。
 探索者以外を告発してしまうと、探索者が名声点を3点得る。
 自分と同じ信者を告発してしまうと、同じ信者2人とも敗北する。

 あなたが探索者の場合、告発したプレイヤーの名声点を2点減らせる。

「無罪」
 このカードはなにも影響を与えない。

●キャラクターカード(5枚)
キャラクターカード
 赤の男爵 レッドリー
 青の魔女 ブルネル
 黄の妖精 イエル
 緑の怪人 グリード
 黒の魔道士 ダーク

●尋問マーカー(1個)

●スタートPLダイス(1個)

トップページに戻る